レーザー墨出し器の実際の使い方が、イマイチわからないという方向けの記事です。
機器本体の取り扱い説明は、取説を見るかweb上にたくさんあるので、他のサイトにお任せし当サイトではどこに、どんな風に使うのかを知りたい方向けに説明させていただきます。
今後適材適所的に具体例を交えながらこのカテゴリー内に記事を増やしていきますのでDIY大好きさん、個人不動産投資家さんのDIYにお役立てください。
忙しい方は1,2,3を飛ばして「レーザー墨出し器、実際の使い方 ガス台設置」までジャンプして下さい。
鉛直と垂直の違いを理解する
鉛直(えんちょく)垂直(すいちょく)の違いは
糸におもりを付けてぶら下げた状態にすると重力で糸が引っ張られます。引っ張られている方向を鉛直と言います。
大工さんが使う、下げ振りは鉛直そのものです。
垂直とは、ある方向に対して直交となる方向を垂直と言います。
例えば掛け算で使う、掛ける(×)をイメージしてみてください。
プラス記号を22.5度左右どちらかに傾けると掛ける(×)記号になりますが、直交する方向を垂直と言います。
縦でも横でも斜めでも、その線に対して直交する方向を垂直と言います。
鉛直と水平
鉛直に直交する線を水平と言います。切っても切れない関係です。水平を保つとよく言いますがこの事ですね。
ぶら下がっている糸に直交する線が水平となり、これらを応用したものがジンバル式レーザー墨出し器となります。
簡単に言えば水平とは鉛直(重力)に対して、直交する線とイメージすればよいかと思います。
レーザー墨出し器の原理
鉛直で縦ラインをレーザー照射し、その鉛直に対する直交が水平ライン照射となります。
これは何を意味するのかと言いますと、レーザー墨出し器を少々傾けて設置しても、内部では重力によっていつでも鉛直を保っています。
ジンバル式(吊り枠)と呼ばれていますが、レンズがぶら下がっているというイメージです。
しかし物には限度があり、傾けすぎると内部の壁にレーザーレンズが接触し自由に動けない状態となります。レーザー墨出し器の設置の際は、標準装備されている水準器を目安に三脚部のネジを回して丸い空気の玉を丸く書かれている内側に入るように調整します。
水平が取れていない場合や、電池が無くなりかけた場合レーザー光が点滅するお知らせ機能付きがほとんどだと思います。
またスイッチはレーザーレンズの固定と解除を兼ねた設計の物が多いです。使用後はオフの位置に回して、しっかりとレンズを固定しておく必要があります。
ぶらぶらの状態で移動させると、ぶら下がっているレーザーレンズに狂いが生じます。
わずかな狂いは遠くを照射すればするほど誤差が大きくなるからです。
Vの字に例えると上部がだんだん広がってその距離が延びるほど広がって行きます。
以上の事を考えると取り扱いに気を付けるべき精密機器だということが理解できると思います。また、メーカーも数年に1度の校正メンテナンスを勧めているのも上記理由からです。
お疲れさまでした、お勉強はここまでです。次は現場での実際の使い方を見て行きましょう。
レーザー墨出し器を使ったガス台設置
初級編として、レーザー墨出し器から照射されるラインを見たまま利用する方法。
洗面台やガス台交換時、ガス管や給水管を通すため背板に正確に穴を開けたい場合があると思います。
しかしガス台を配管のある壁側にくっつけてしまうと印をつける事ができません。管にインク類を付けて背板に印字する方法もありますが微調整で動かすと印字がずれてしまいどこが中心点なのかわからない。
そんな時に活躍するのがレーザー墨出し器です。
壁に配管がある場合スケールで測って位置決めしてもずれる場合が多いです。商品の背板などに正確に穴を開けたいときは、離れた位置から管の中心に向かってレーザーを照射します。(三脚のエレベーターを使うと便利です)
下の画像ではガス台を設置する前に配管の中心位置にレーザーを照射しておき、その後ガス台を設置したい場所に置くことでレーザー光が背板の裏にある配管の位置を示してくれています。
穴を開ける前であれば収まり具合の調整が可能なので、しっくりくる位置にガス台を微調整をします。ここというところに印を付け、穴をあけると正確な穴開けができます。
特にガス台の背板穴開けの場合、正面から見えるので失敗したからといって大きな穴を開けるわけにはいきません。カバーで隠せる範囲も限度があります。
またステンレスと言う事もあり、すでに空いた穴を左右どちらかに少しだけずらして穴を開ける事は困難になります。ホールソーのドリル芯の刺さる部分がすでに無くなっているからです。
ミスが許されない部分なので慎重に作業を進めてください。
そして洗面台やガス台を設置したい場所に置けば、元々レーザーが照射されているので配管の中心位置がわかります。
印を付け配管に適したサイズの穴を開ければ正確な位置に穴あけが出来ます。
レーザー墨出し器を使った天井下地(野縁)の高さ調整
中級編として、レーザー墨出し器から照射されたラインを基準に計算して位置を決めていきます。
この工事では廻り縁の交換がないので、野縁の高さは廻り縁の上9.5ミリとなります。
廻り縁と野縁の隙間に石膏ボード9.5ミリを貼るので、計算上隙間なく収まります。
レーザー墨出し器を野縁に対し、適当な位置に照射します。この画像で言うと見た目で野縁より100ミリくらい下。ここでは100でも200㎜でもOK。
ちなみに大工はミリ単位の仕事をするので、センチではなくミリで言います。クロスはセンチ単位なのでセンチで言います。
この画像では廻り縁の上にスケールをひっかけてレーザーラインまでの距離を測定します。結果83ミリでした。
スケールをひっかけてある位置が、ボードの最終仕上げ位置となります。
ということは83+ボードの厚み分の9.5=92.5となり野縁の高さと言うことになります。
この画像ではレーザラインが73ミリを指しています。つまり野縁が低いという事です。仮止めなので当たり前なのですが、材料の重みや木材の曲がりでもそうなります。
これをレーザーラインを見ながら野縁の高さを調整していきます。
この画像の場合74ミリと低いので、92.5ミリになるまで持ち上げて、そこで吊り木に固定します。
このようにして高い低いを調整していきます。
実際の現場では建物の歪みが生じている場合が多く、適当な間隔で高い低いをチェックするようにします。
補足説明として、レーザーラインの照射位置から目的の位置まで遠いと、視界から外れて確認しにくいと思うので3脚や台などを用いて近い方が一目で確認出来るので使いやすいと思います。
あとスケールよりもバカ棒に印を付けて、適当な位置に移動させながら印がレーザーラインに当たるように目的を調整する方が楽です。
コメント
精度高く墨出しする為の機械なのに、三脚を伸ばさずにダンボールで高さを出している意味がわかりません。
ジンバル方式なのでその機器が持つ許容範囲内であればどこにおいても問題ありません。
レーザー墨出し器の原理をご確認ください。
今回の場合三脚を忘れてしまいダンボールで高さを稼いでミニ三脚で微調整しレーザー照射しています。